ドリーム金沢1号 と 湯涌温泉
なんとなく湯涌温泉に行きたくなるもので、
つい2年、3年前には湯涌温泉の名前すら知らなかったもので、
『花咲くいろは』の掌中で踊る人間というのを、ご覧ください。
2013/3/24乗車
ドリーム金沢1号
東京駅八重洲口(22:40)→金沢駅東口(7:10)
ドリーム金沢号には罠がございまして、ダブルデッカー車だと思って、7Bが空いてる!(真後ろが階段なのでリクライニングし放題)とぬか喜びしておると、此のような目に遭うのです。東京では桜満開なんぞとお花畑のようなことを申しておりますが、上信越道が通ります長野ではまだ雪でも残っておるのでしょう。ダブルデッカー車の夢は何処へやら、平屋車の充当でございました。かくして私の7Bは一気にハズレ席へと化けたのでございます。
しかしながら車両は快適な乗り心地で高名な西工SD-II、私にとっても初めて乗車するクルマでありますから、期待は高まります。車内はかつての「スーパードリーム号」仕様。シートは通常のドリーム号とは毛色の異なる大型のものが並んでおり、ダブルデッカーでなくてもこれならばまあ良かろうと安心して眠りに就きます。
が、どうも夜行バスと云うのはエアロキングでなくてはいかんといいますか、慣れ親しんだ枕でなくてはいかんと云った具合に身体が馴染まないもので、上里SAまで寝付けることはありませんでした。
●0:20~0:40 上里SA 開放休憩


関越道と上信越道が分岐する手前に在る上里SAでは、これから北陸方面に向かわんとする夜行バスが続々とやって参ります。手前から金沢行き(JRバス関東)、同じく金沢行き(北陸鉄道バス)、高岡・氷見行き(西武バス)が2台続きまして、奥の青い車が新潟行き(西武バス)の順で並んでおります。
つまり手前の赤青2台が「東京~金沢」間で競合しているのでございますが、金沢到着は赤色の北陸鉄道バスの方が1時間ほど早くなっております。我々ドリーム金沢号は富山駅を経由する分、余計に時間が掛かるというカラクリでございます。もっとも、北陸鉄道バスは金沢駅に到着してから更に西へ西へと向かい、加賀温泉まで参るそうなので、その辺りは棲み分けと云うもんでしょうか。
さて、出ていた客が揃ったと確認すると定刻通り扉は閉まり、6速トルコン式ATの柔和な滑り出しに身を委ねていよいよ眠りに落ちてゆくかと思うと、そうも行かない。これまで夜行バスで寝ようとすると、ふと意識の糸が切れるような感覚であったのが、どうも勝手が宜しくない。
くれぐれも誤解していただいては困るのですが、クルマ自体は非常に評価が高く極めて快適なのだろうと思います。が、乗り込んで以来「エアロキングがよかった」と云う駄々っ子の如きスタンスを崩しておりませんから、隙だらけのフォームをドリーム金沢号さんにボッコボコにされるのも当然。ただ、こういうのは「認めたら負け」的な側面がありますから、この戦い、まだまだ負ける気はございません。
…
2:00頃 佐久平PA 乗務員休憩
?:??頃 東部湯の丸SA 乗務員交代
3:40頃 名立谷浜SA 乗務員休憩
…
●5:10~5:25 有磯海PA 開放休憩


(※ナンバー付近画像加工済み)
背に腹は代えられないと申しますが、腹を守ると背中をやられるのでございます。頭隠して尻隠さずと申しますが、頭を隠すと尻をやられるのでございます。上里SAを出発してからのこの第2ラウンド、寝違えた所為か背中を痛めてしまいました。これをもちまして、ワタクシ、負けとさせていただきます。
前回の乗車時は8月ごろでしたので、仄暗いアトモスフィアが大変心地がよかったのですが、北陸の春の訪れはまだまだ先。「早朝」というよりかは「深夜」という表現の方が似つかわしい午前5時の北陸道・有磯海PAは夜暗と寒気のツンとした匂いに包まれておりました。
この有磯海PAも「花咲くいろは」の舞台となった地でありますが、残念ながら施設外観は工事中のようで、いわゆる「聖地巡礼」とはなりませんでしたが、今回はそういう趣旨の旅ではございませんので特に気にせず。
有磯海PAを後にすると30分程で富山駅へ到着するそうなのですが、第2ラウンドで負けを宣言して以来ようやく落ち着いて眠りに就ける時間帯でありますから、あまり記憶に残っておらんのです。4sqのログイン履歴が残っている辺り、義務感にかられてスマートフォンをいじる程度の意識はあったみたいですが。
●5:52 富山駅
ああ、一つ思い出しました。富山駅に到着して何分程経ったでしょうか、客扱いも終わった、サアもう一眠りというところで乗務員氏が「xxさん、xxさん、xxさんですよね?富山で降りられますよね?」と右後ろの女性客を起こしておりました。きっと彼女もドリーム金沢号さんにやられたのでしょう。戦友の背中を見送りつつ、漸う眠りに落ちることに致します。しかし、私のように券売機で買った人間はどう呼ばれるのでしょうね。「7Bのお客サマ」でしょうか。
●7:05 金沢駅
結局、金沢西ICぐらいまで熟睡しておりました。通勤電車で疲れるのは人の流れに抗う所為であるとはよくいったもので、夜行バスで疲れる人は心のどこかで抵抗感を抱いておるのでしょう。こういうのは、さっさと負けを認めて相手に処遇を委ねるのがよいのです。
先ほどの有磯海PAでの休憩でも感じておりましたが、やはり日本海側というだけあって、バスから降り立ってみると薄寒い空気が肌に染み入ります。さっさと朝食としましょう。金沢百番街の中にパン屋がございまして、コーヒーと一緒に焼き立てのパンをいただけるのです。バス停の目の前で、しかも7時から開いているのでおすすめですよ。
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あ^~結名たそかわいいんじゃ^~
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●14:20 金沢駅発 北鉄バス・湯涌温泉行き


湯涌温泉の魅力というのは、温泉自体もさることながら、路線バスでのアクセスという処に感じておるのです。
金沢駅で乗り込んだら、そのまま一番後ろの5人掛け席の端っこでふんぞり返り、移り行く景色をボーっと眺めながら温泉へと向かうというのがオツなもので、この感覚を再び味わいたく思い、ここまでやって参りました。
寂れた田舎の駅から鄙びた温泉街へ向かうのも詫び寂びがあって宜しいのでしょうが、都市部からただボーっとバスに揺られるだけで、田園風景に囲まれた温泉街へトリップして仕舞うのが、どうしようもなくたまらんのです。
ところで、「花咲くいろは」のエンディングテーマで「Hazy」という曲があるのですが、その一節に
『変わらないものはいつの日も 奥の方にある』
という詞がございまして、このバスに乗りながら聞いておると、なんとなく腑に落ちるような気がするのは、やはり不思議な整合性というようなものが働いておるのでしょうか。

偶然にも、ちょうど乗車した便は「創作の森」経由でした。

この「創作の森」というのは小高い丘の上にあって、そこは普通のバスが通っていい処じゃないだろう、という風な急坂ヘアピンカーブを強引に登ってゆくので、なぜかワクワクしてしまいます。こういう急坂は大の好物です。
写真に収める暇はありませんでしたが、頂上のバス乗り場には3月末ながら雪が残っておりました。小さな転回場を利用して方向転換、再び急坂を下りて湯涌温泉へと通ずる道へと戻ります。
長いようで短い40分の小旅行も、680円を払ってしまえば終わりです。
湯涌温泉へ着くと、天気予報の通り、ポツリポツリと雨が降り出しておりました。
これはいかん、ということで本日の宿へと急ぎます。
おととし来訪した折は「福屋旅館」のモデルとなった「秀峰閣」さんでの宿泊でしたが、今回は一人旅ということもあり、「秀峰閣」さんの向かいに位置する「湯の出」さんにお世話になります。
こちらの旅館は珍しいことに履物は玄関で脱ぐようになっておりまして、館内を裸足(もちろん靴下は履いております)で歩くことが出来るのです。掃除が行き届いている証でありましょう。
お邪魔しますと一声かけて名乗ると、「先ほどはお電話ありがとうございます」と声をかけていただき、なんというか、旅館に来たんだな、という気分で嬉しくなってしまいます。

日の高い内から温泉に入るなんて、若いモンが贅沢いうなと怒られてしまいそうですが、貸し切り状態の中ゆっくりと一風呂浴びると、間もなく夕食の時間というところでした。
さきほどの「電話」というのは、実は映画を見る前に夕食の依頼をしておりました。本来一人用の宿泊プランでは夕食無しなのですが、オプションとして松花堂弁当を注文することが出来まして、そちらをいただきます。
湯涌温泉は食事にこだわっている旅館が多く、味の方はもちろん言うまでもなく、素晴らしいものです。
夕食後は柚子サイダー。
この日は雨で「聖地巡礼」らしいことも出来ず、翌日に持ち越し。6時に起きて、朝の湯涌を味わうとします。
(つづかない)
2013/03/29 16:14 | バスレポート | COMMENT(0) | TRACKBACK(0) TOP





